ポーの一族の新作と、天人唐草について

すみません。
フラワーズに掲載された「ポーの一族」の新作と、
それに伴う萩尾望都×山岸涼子対談についての、
完全なるネタバレ&個人的見解を、書かせていただきます。

ネタバレや対談okな方だけ、以下へどうぞ!




(ネタバレ)


(上より)





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かれこれ30年ぶり?40年ぶり?
はっきり調べてないけどもうどうでもいいわ。
という新作の「ポーの一族」。

もうねーーーー・・・
涙出そうでした。

「魔法使い」を気取っていたオービンさんが、
若い頃に邂逅したエドガーを探して、探して、調べて・・・
年老いた彼の前に、以前と変わらない少年のエドガーが現れて
オービンが
「私のことなぞ忘れたろうね」
と問うと、かつてと全く変わらない美しいエドガーが
「覚えてるよ、魔法使い」
と、答えるのだ。

もうねえ。
今、私が、リアル・オービンの気分だよ全く。
私はこんなおばちゃんになっちゃったのに、
でもあなたを初めて知った時の少女のような気分でいるよ。
まさか、この年齢になって
変わらない14歳のあなたとアランにまた会えるとは思ってなかったよ。
本当に。

二次創作じゃないんだ。
ほんものの、
ほんとうの、
彼らを生み出した作者が、
今また、彼らの新しい物語を生み出して
私たちの前に見せてくれている。

こんなぜいたくな事があるだろうか。

私の時代にはまだ、「マンガやテレビマンガ(アニメという言葉はまだなかった)は、
小学生のもの」という常識があり、私も「マンガは卒業するもの」という意識だった。
これが、「アオイホノオ」のドラマや関連DVDや対談を見ると
まさに私の同世代である庵野監督などが「あの当時は、中学ぐらいになると
アニメは卒業するもんでしたよ」と言っており、同じだなあと思ったのだが。
おかげで、高校生までに集めた萩尾望都の作品類(複製原画やら作品集未収録の物やら)一切を
短大に入る時に人に売ったり破棄してしまった。

今、あれが全部手元にあったなら・・!
と、つくづく思う。
市場価値ではない。
もう二度と、出版されない物がたくさんあったから、だ。

昔、テレビ東京の「開運!なんでも鑑定団」に
「トーマの心臓」の連載中の扉絵の直筆原画を持って来た人がいて、
私が「20万なら安い!」と言ったら20万円の値がついた。
BJは「たかがマンガの原画が?20万??」と驚いていたが、
ファンというのはそういうものだと思う。

今回のエピソードは、第二次大戦中の1940年代のウェールズ。
絵柄は、かなり以前のエドガーを意識してるのかな?
という感じで、最近のモーさまの絵とはちょっと違うような。
エドガーらしくて良かったけど。

アランの出番は少なかったから、2人のからみをもっと見たかったなーとは思ったけど、
エドガーが使用人を自分たちの滞在する屋敷に出入りさせたあとのアランのセリフはかわいかった。

「なんで」
(ふきだしがわかれる)
「家に(いえに)
人を
入れん(いれん)のさ」
なんてあたり、
もう〜〜、もう〜〜〜〜、
アランじゃん〜〜〜!!!!
って、ニヤけてしまったよ。

こういう、エドガーが色んな手配してうまく立ち回ってるとこ、
アランは気に入らないんだよねえ〜、
他の人と仲良くしてるのも、なんか面白くないんだよね!
うんうん、そうだった〜〜!
って、思い出してしまって。
「小鳥の巣」あたりの感じかなあ〜。

よく眠くなって、弱ってるとこも・・・
ああもう・・・
こっちが弱って死にそうだわよ・・・!!!
(いや、図太いおばちゃんは死にませんが)

そして、この40ページが1話完結じゃなかったとこも、死ぬわ!!!
待て次号!つか、この冬掲載予定!て何!!!
どんだけひっぱる気〜〜!!!!

いや、もう、待ちますけどね。
書いてくださるならば。
絵柄も、さほど違和感なかったし。
つか、「ポーの一族」自体、最初の頃と、一時中断した後では
かなり絵柄変わってたしな。
もう大丈夫。免疫ついてますし。

でもアランの出番少なすぎ〜〜〜。
もうちょっと出てほしいの。
いや、エドガーの方が好きなんだけどさ、
でも、なんていうか、エドガーとアランの関係、が、好き、なんざます。
どっちかひとり、じゃ、ダメなのよお。


さて、それはともかく。
山岸涼子さんと萩尾望都さんの対談。
なんなのこの面子は。

萩尾望都さんが竹宮恵子さん、増山さんと3人で住んでいた
通称「大泉サロン」に、北海道から出てきた山岸涼子さんも行った事がある、という話から。
まあその辺は私も知ってたしあまり珍しい話はなかったんだけど
今回萩尾望都さんが
「天人唐草について伺いたくて、単行本持ってきたの!」
と、マイ単行本持って来てまで話してたのがびっくり。

うん。
私も、山岸涼子さんの作品は好きなのがたくさんあるのだけど
中でも「天人唐草」は、短編だけど別格だと思ってたのよね。
まさかモーさまが、あの作品を取り上げてくださるとは。

そして初めて知った話。
「天人唐草のあの奇声を上げてる女性、山岸さんが実際に羽田空港で見かけた方なんですって?」
と、萩尾望都さんが聞くと山岸涼子さんが
「そうです、遠くから奇声をあげて歩いてくる方がいらして。
あれを見た時、ああ、これは、私の姿だ、と。」
と言ったのだそうだ。
あの、奇声をあげる女性を、自分の未来の姿だと思ったのだ、
それで、書こうと思ったのだ、と、言う。

「普通は、ああはなりたくない、怖いわ、変だわ、って思うでしょ。
でもそれを、あれは私の本質なのだ、って見つめる強さがあるのね」
と萩尾望都さんは言い、山岸涼子さんは
「萩尾さんは、自分の中身と違うものを、ちゃんとお話しとして
作り上げる技量があって、外から見られる冷静さがありますよね」
と言う。
どちらも、アプローチは違うのだろうが物書きとして稀有な存在なのだなと思った。

それにしても山岸涼子さんの絵のうまさはすごいし、
萩尾望都さんのストーリーのうまさも絵の上手さもすごいし、
彼女たちのような稀有な少女マンガ家が同時代に一気に芽吹いたことで
今の奇跡のような日本のマンガ界があるのかなあ、と、
あらためて思った。

その変遷を、軌跡を、見て来られた私は
その作品を買う事、読む事でしか参加していないにしても
きっと、稀有な時代の成り立ちを実際に肌で感じて来たのだろう、と、思った。

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お話しみじみと臓腑に浸みます

いや、色々出入りしてたので私買いそびれまして(;_;)
重版が出るのも知ってたのに買いそびれまして(;_;)
そうかー、そんな風でしたか-。
最近本屋と縁遠かったので全く知らなかったんですよ(;_;)

私はアニメに移行しなかったマイノリティなのでがっつり取ってありますコミックス。
嫁入り道具に抱えてきて旦那実家に置いてあります。
雑誌は実家に置いてたので母に捨てられましたけど(T^T)

まさかモー様が続編を描いてくださるとはねぇ。。。
ちなみに私は甘ったれアランが嫌いです(笑)
いや、あの絡み具合は好きですけどw



今でも思い出すのはメリーベルが居なくなるところ。
あのシーンだけはくっきり脳裏に浮かびます。
・・・メリーベル、可愛かったなぁ。
 
容姿体型にまったく恵まれない女子でしたので(今もそうですが)
あの儚げなきゃしゃなお姫様は本当に憧れです。

良い記事をありがとうございました。

Re: お話しみじみと臓腑に浸みます

> nontaさん

お返事遅くなりましてすみません!
日本から妹が遊びに来ていて、あちこち出歩いてるものでなかなかブログ更新する時間がなくて。

・・・で、あらー、買われなかったんですか!それは残念!
電子版も出ているようですが、でもやはり紙で読みたいですよね・・・。
私も、アニメに移行しなかったクチです。
周囲は当時アニメブーム(声優ブーム)だったので、一応流行り物は見てましたけど
基本は自分のペースでゆっくり読めるマンガのほうが好きでした。

甘ったれアラン、昔は嫌いだったのですがこの頃読み返すとなんかかわいくて。
メリーベルが消えてしまうところは衝撃でしたねー。
ほんと、あの儚いお姫様は憧れでした!
メリーベルがまだ人間で、エドガーについていくまでのお話も大好きです。

読みました

大丈夫です。
あの後ちょっと財布に痛い方法でちゃんと購入し読みました。
電子書籍はどうしてもなじみませんのでw
たまたまなのですが同時に゛少年の名はジルベール゛という竹宮氏の書籍も購入しました。
こちらは竹宮氏の自伝ですが興味深かったです。
まだでしたらぜひ購入をお勧めします。

あの時期、あの方たちの漫画を楽しめた我々って至福の時を過ごしてますよねぇ。

妹様たちと楽しい時間をお過ごしください。

ありがとうございます!

私も萩尾望都ファンでしたが、これは存じませんでした!!
早速電子版を購入しました!
今回だけ、どこでもうリきれで今月号だけ電子版が出たんですってね。
すごいですね〜やっぱり。
今からゆっくり読みます!
ありがとうございました!!

Re: 読みました

> nontaさん

お財布お大事に(笑)
「少年の名はジルベール」、興味あるんですがまだ買ってません。
おすすめなら買って読んでみますね!

Re: ありがとうございます!

> るいさん

いえいえ、私の情報など遅くって・・・(^^;;
でも、お役に立てたなら良かったです。
やはりモーさまはいいですよね!
プロフィール

Mimi

Author:Mimi
アメリカ生活もかれこれ20年。
夫と子供2人(うち1人は大学進学でオハイオ在住)、猫1匹とアラバマの田舎に住んでいます。

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